年末調整の保険料控除証明書の見方|どこを書き写せばいいか分かる
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年末が近づくと、会社から「保険料控除申告書」と一緆に、見慣れない紙切れが何枚も届きますよね。保険会社から届いた「保険料控除証明書」を見ても、数字がたくさん並んでいて、どれを書き写せばいいのか分からず手が止まってしまう。そんな経験がある人は多いと思います。
結論から言うと、証明書の中で本当に見るべき数字は1つだけです。この記事では、その数字の見つけ方と、申告書への書き写し方を順番に説明します。
毎年この時期になると「去年どうやって書いたっけ…」と、同じところで悩んでしまう
この記事のポイント
✔ 証明書で見る数字は「申告額」の1つだけ
✔ 新制度と旧制度は証明書に書いてある
✔ 複数枚あるときは区分ごとに合算する
保険料控除証明書の見方が分からなくなる原因
保険料控除証明書が分かりにくいと感じる一番の理由は、証明書の中に似たような数字が2つ並んでいるからです。
証明書をよく見ると、「証明額」と「申告額(参考額)」という2種類の金額が書かれています。これは、証明書が発行された時点(9月や10月ごろ)までに実際に払い込んだ金額が「証明額」、そして12月末までに払い込む見込みの金額が「申告額」です。
年末調整で使うのは、この「申告額」の方です。なぜなら、年末調整は1年分(1月から12月まで)の保険料をもとに控除額を計算する仕組みだからです。証明書が届くのは年の途中なので、そこから12月まで払い続けた場合の見込み額を、保険会社があらかじめ計算して示してくれているわけです。
もう一つの原因は、1枚の証明書の中に複数の保険の情報がまとめて書かれていることです。例えば、医療保険と個人年金保険をどちらも同じ保険会社と契約している場合、1枚の証明書に両方の保険料が別々に記載されていることがあります。「1枚だから1つの金額を書けばいい」と思い込んでしまうと、どちらか一方を見落としてミスにつながります。
まずは「証明額ではなく申告額を見る」「1枚の中に複数の保険が載っていないか確認する」。この2つを押さえるだけで、証明書を見たときの戸惑いはかなり減ります。
証明書に書かれている項目の意味をひとつずつ確認
証明書に書かれている項目を、上から順に確認していきましょう。会社や保険商品によってデザインは違いますが、書かれている内容はだいたい共通しています。
保険会社名・証券番号
どの保険会社の、どの契約についての証明書かを示す部分です。複数の保険に入っている人は、証明書とお手元の保険証券を照らし合わせて、どの契約の分か分かるようにしておくと安心です。
保険等の種類
「医療保険」「個人年金保険」「終身保険」など、契約している保険の種類が書かれています。この種類によって、後で説明する「一般生命保険料」「介護医療保険料」「個人年金保険料」のどの区分に当てはまるかが決まります。
新制度・旧制度の区分
契約した時期によって、「新制度」か「旧制度」のどちらかが証明書に明記されています。この区分によって、使う計算式や申告書の書く欄が変わります。詳しくは次の見出しで説明します。
証明額(申込額)
証明書が発行された時点までに、実際に払い込んだ保険料の合計です。年末調整には使いませんが、「ちゃんと払っているか」を確認する目安として見ておくとよいでしょう。
申告額(参考額)
12月末まで払い続けた場合の、1年分の保険料の見込み額です。これが、年末調整の申告書に書き写す数字です。もし証明書に「申告額」という欄がなく「証明額」しか書かれていない場合は、保険会社に問い合わせるか、その保険会社のWebサイトで案内を確認しましょう。
一般・介護医療・個人年金の区分
新制度の場合、保険料は「一般生命保険料」「介護医療保険料」「個人年金保険料」の3つに分かれます。証明書のどこかに、この契約がどの区分に当たるかが書いてあります。この区分ごとに、後で説明する計算式を使って控除額を出します。
項目の意味が分かれば、証明書はただの「情報が整理された紙」に見えてきます。難しい言葉に見えても、やっていることは「いつの時点の、いくらの保険料か」を示しているだけです。
新制度と旧制度の見分け方と書き写す場所
生命保険料控除には、「新制度」と「旧制度」という2つの仕組みがあります。これは、2012年1月1日を境に制度が変わったためです。
見分け方
一番確実なのは、証明書に書かれている「新制度」「旧制度」という表記をそのまま見ることです。多くの証明書では、保険の種類のすぐ近くに「(新)」「(旧)」といった形で表記されています。見当たらない場合は、契約日が2012年1月1日以降かどうかで判断できます。2012年以降に契約した保険は新制度、それより前に契約した保険(その後の更新や転換がない場合)は旧制度です。
新制度の区分と計算式
新制度では、保険料が「一般生命保険料」「介護医療保険料」「個人年金保険料」の3つに分かれます。それぞれの区分ごとに、1年間の保険料(申告額)に応じて次の計算式で控除額を出します。
- 支払保険料が20,000円以下:支払った金額がそのまま控除額
- 20,001円から40,000円:支払保険料の半分に10,000円を足した金額
- 40,001円から80,000円:支払保険料の4分の1に20,000円を足した金額
- 80,001円以上:一律40,000円
この計算で出た控除額を、3つの区分それぞれで合計します。ただし、生命保険料控除全体には12万円という上限があるので、計算した金額が大きくても、最終的にはそこで頭打ちになります。
旧制度の区分と計算式
旧制度は「一般生命保険料」「個人年金保険料」の2区分だけです(介護医療保険料という区分は旧制度にはありません)。計算式は新制度と少し違います。
- 支払保険料が25,000円以下:支払った金額がそのまま控除額
- 25,001円から50,000円:支払保険料の半分に12,500円を足した金額
- 50,001円から100,000円:支払保険料の4分の1に25,000円を足した金額
- 100,000円以上:一律50,000円
申告書への書き写し方
「給与所得者の保険料控除申告書」には、新制度用と旧制度用の欄がそれぞれ用意されています。証明書に書かれている区分(新・旧)と保険の種類(一般・介護医療・個人年金)を確認し、該当する欄に申告額をそのまま書き写します。控除額の計算は、会社の年末調整の担当者や給与計算のシステムが行ってくれることがほとんどなので、自分で計算式を当てはめて控除額を出す必要はありません。書くのはあくまで証明書に書かれた申告額です。
控除証明書が複数枚ある場合の書き方
保険を2つ以上契約している人は、証明書も複数枚届きます。この場合に大事なのは、同じ区分の保険料は合算してから計算する、というルールです。
例えば、医療保険(介護医療保険料・新制度)と個人年金保険(個人年金保険料・新制度)の2枚の証明書が届いたとします。この場合、区分が違うので、それぞれ別々に計算して、最後に合計します。
一方、同じ「一般生命保険料・新制度」の証明書が2枚(例えば終身保険と学資保険)届いた場合は、2枚の申告額を先に合計してから、その合計額に対して計算式を当てはめます。1枚ずつ別々に計算して後から足す、という順番にはしません。
申告書に書き写すときは、申告書の同じ区分の欄に、証明書ごとの保険会社名と申告額を並べて書くのが基本です。多くの申告書には、1つの区分につき複数行書けるようになっています。もし行が足りない場合は、会社の経理担当者に確認すれば、追加の書き方を教えてもらえます。
新制度と旧制度の保険が混ざっている場合は、それぞれ別の欄に書きます。例えば一般生命保険料で新制度の保険と旧制度の保険の両方に入っている場合、新制度の欄と旧制度の欄、両方に申告額を書くことになります。この場合、新旧それぞれで計算した控除額のうち、有利な方(金額が大きくなる方)を選べる仕組みになっているので、自分でどちらが得かを悩む必要はなく、会社側の計算に任せて大丈夫です。
証明書が増えるほど「あれ、これどこに書くんだっけ」となりやすいので、まずは証明書を区分ごとに仕分けてから申告書に向かうと、迷いにくくなります。
記入ミスを防いで来年も迷わないコツ
毎年同じところで悩まないために、今年のうちにできる工夫を紹介します。
証明書が届いたらすぐ仕分ける
証明書が届いたタイミングで、「一般」「介護医療」「個人年金」「新制度」「旧制度」の区分ごとに分けておきましょう。年末調整の直前にまとめて見ると情報量に圧倒されますが、届いた時点で仕分けておけば、申告書に向かうときの負担がぐっと減ります。
スマホで写真を撮っておく
証明書は年末調整が終わった後も、確定申告で使ったり、紛失時の確認に使ったりすることがあります。原本を提出する前に、念のためスマホで撮影しておくと安心です。
去年の申告書を手元に置いておく
契約している保険が去年と同じであれば、去年どの区分に書いたかを見ながら今年の申告書を書くと、区分の判断に迷いにくくなります。保険を新しく契約した年だけ、今回説明したポイントを確認すれば十分です。
証明書をなくさない仕組みを作る
届いた証明書をまとめて入れておく封筒やクリアファイルを1つ決めておくと、年末調整の時期に「どこに置いたか分からない」という事態を防げます。保険の契約情報や証明書の到着時期を家計簿アプリで管理しておくと、毎年この時期に慌てずに済みます。
もっと深く知りたい人へ|年末調整が分かる本
年末調整は保険料控除だけでなく、扶養控除や住宅ローン控除など、他にも見るべき項目がいくつもあります。「保険料控除証明書の見方は分かったけれど、申告書全体の仕組みがまだ心配」という人は、お金の基本を扱った本で全体像をつかんでおくと、毎年の書類仕事への不安が減ります。
家計全体のお金の流れを把握しておくと、保険料控除証明書が届いたときも「これは年間でこれくらいの支出なんだな」と落ち着いて見られるようになります。保険だけでなく、他の支出や貯蓄もまとめて管理したい人は、家計簿アプリを使って年に一度、保険の見直しと一緒に書類を整理する習慣をつくるのもおすすめです。
よくある質問
Q. 証明書をなくしてしまった場合はどうすればいいですか?
契約している保険会社に連絡すれば、再発行してもらえます。保険会社のコールセンターや会員ページから手続きできることが多いので、まずは保険証券に書かれている連絡先を確認しましょう。年末調整の提出期限に間に合わない場合は、会社の経理担当者に早めに相談すると、確定申告での対応など次の手段を案内してもらえます。
Q. 地震保険料控除の証明書も同じ書き方をすればいいですか?
基本的な流れは同じで、証明書に書かれた申告額を申告書の該当欄に書き写します。ただし地震保険料控除は生命保険料控除とは別の欄に書くこと、新旧の区分ではなく「地震保険料」と「旧長期損害保険料」という区分で分かれることが違いです。証明書の記載を確認しながら、該当する欄に書き写しましょう。
Q. iDeCoの掛金も保険料控除申告書に書くのですか?
iDeCo(個人型確定拠出年金)の掛金は、生命保険料控除とは別の「小規模企業共済等掛金控除」という欄に書きます。国民年金基金連合会から届く「小規模企業共済等掛金払込証明書」を見て、年間の掛金合計額を記入します。保険料控除証明書とは書類も記入欄も別なので、混同しないように分けて保管しておくと安心です。
※この記事は情報提供を目的としたもので、特定の金融商品の購入や投資を勧めるものではありません。投資には元本割れのリスクがあります。最終的な判断はご自身でお願いします。制度の内容は執筆時点のものです。最新の情報は金融庁や各金融機関の公式サイトでご確認ください。
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