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フリーランスに就業不能保険は必要?会社員との違いと選び方

約10分で読めますby ぎゃくてん君

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フリーランスは、会社員とは「働けなくなったときの保障」の仕組みがまったく異なります。まずはその違いを正しく知ることから始めましょう。結論から言うと、フリーランスは会社員に比べて公的な保障がかなり薄いのが事実です。だからこそ、公的保障の中身を知ったうえで、足りない部分を就業不能保険で埋めるという考え方をしてみましょう。

読者

有給もないし、傷病手当金みたいなものもないって聞いたけど、本当に何も保障がないの…?

この記事のポイント
✔ フリーランスには会社員のような休業補償がない
✔ まず公的な保障の範囲を知ることが第一歩
✔ 保険は「条件・金額・保険料」の3点で比べる

フリーランスが「働けなくなったら収入ゼロ」になる仕組み

フリーランスの収入は、基本的に「自分が動いた分だけ」入ってきます。裏を返せば、動けなくなった瞬間に収入が止まるということです。会社員であれば、病気やケガで会社を休んでも、一定期間は給与の一部が保障される仕組みがあります。しかしフリーランスには、そもそも「休む」という状態に対する保障がありません。

さらに厄介なのは、働けない期間中も支出は止まらないという点です。家賃、光熱費、国民健康保険料、国民年金保険料、生活費。収入がゼロになっても、これらの支払いは待ってくれません。治療費がかかる場合は、むしろ支出が増えることもあります。

「貯金があるから大丈夫」と考える人もいるかもしれません。ただ、入院や自宅療養が1ヶ月、2ヶ月と長引いた場合、貯金だけで乗り切れるかどうかは人によって大きく変わります。自分の貯金で何ヶ月生活できるのかは、この後の章で具体的な計算例を使って確認していきます。

ここでまず押さえておきたいのは、「怖いから保険に入る」のではなく、「自分の家計が何ヶ月の無収入に耐えられるか」を先に把握するという順番です。その数字が分かって初めて、保険が本当に必要かどうかを判断できます。

会社員とフリーランスで保障はこんなに違う

会社員とフリーランスの違いを整理すると、保障の差がはっきり見えてきます。

会社員は健康保険に加入しており、病気やケガで働けなくなった場合、条件を満たせば「傷病手当金」という制度を使えます。これは給与のおよそ3分の2程度の金額が、最長1年6ヶ月にわたって支給される仕組みです。さらに厚生年金に加入しているため、一定の障害状態になった場合は「障害厚生年金」も受け取れる可能性があります。会社によっては独自の休業補償や有給休暇も用意されているため、会社員は「公的保障」と「会社の制度」の二重の備えがある状態です。

一方でフリーランスが加入するのは国民健康保険と国民年金です。国民健康保険には傷病手当金の制度が基本的にありません(自治体によって任意給付がある場合はありますが、一般的ではありません)。国民年金から受け取れるのは「障害基礎年金」で、障害厚生年金に比べると受け取れる範囲や金額の条件が異なります。つまり、同じように病気やケガで働けなくなっても、会社員とフリーランスでは受け取れる保障の厚みがまったく違うのです。

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会社員とフリーランスで「守られ方」がこんなに違うなんて、知らないと本当に損するところだったね。

この差を知らずにフリーランスになると、想像していたよりも保障が薄いことに後から気づく人も少なくありません。まずはこの違いを正しく理解することが、対策の出発点になります。

今日からできる対策:まず公的な保障を確認する

保険を検討する前に、まずやるべきことがあります。それは「自分がすでに持っている公的な保障」を確認することです。保険は、公的な保障で足りない部分を埋めるためのものなので、順番を間違えると不要な保険にお金を払うことになってしまいます。

最初に確認したいのは、自分が加入している国民健康保険の内容です。市区町村によって制度の運用は異なるため、お住まいの自治体の窓口やホームページで、傷病手当金に類する制度があるかどうかを調べてみてください。

次に、国民年金の「障害基礎年金」の仕組みも見ておきましょう。これは一定以上の障害状態になった場合に支給される年金で、要件を満たせば病気やケガで長期間働けなくなった際の支えになります。ただし、軽い障害状態や一時的に働けないだけの状態では対象にならないケースが多く、あくまで「重い障害状態になった場合の保障」という位置づけです。短期間働けない場合の備えにはならない点は覚えておきましょう。

あわせて確認したいのが、自分の貯金で何ヶ月生活できるかという点です。やり方はシンプルで、まず家賃・光熱費・保険料・食費などの固定費を月単位で書き出し、合計します。たとえば家賃8万円、光熱費1万円、国民健康保険料と国民年金保険料で合わせて3万円、食費と生活費で6万円なら、月の固定費はおよそ18万円です。貯金が150万円あれば、単純計算で約8ヶ月分の生活費に相当します。この「何ヶ月分」という数字が、保険でどこまで備える必要があるかを考える土台になります。

このとき、家計簿アプリを使って毎月の支出を記録しておくと、固定費の洗い出しがぐっと楽になります。無料で使えるアプリ(マネーフォワード MEなど)で口座やクレジットカードを連携させておけば、自動で支出が記録されていくので、手入力の手間がかかりません。

就業不能保険が必要か迷った時の考え方

「就業不能保険に入るべきかどうか」は、人によって答えが変わります。判断の軸になるのは、前の章で確認した「公的保障の範囲」と「貯金で耐えられる月数」です。

たとえば、生活防衛資金として生活費の1年分以上の貯金があり、家族の支えや他の収入源もある人であれば、就業不能保険の必要性は相対的に低くなります。逆に、貯金が生活費の数ヶ月分しかなく、自分の収入が家計の中心である人ほど、働けなくなったときのダメージが大きいため、保険で備える意味は大きくなるでしょう。

もう一つの判断材料は、仕事の性質です。体を使う仕事(施術業・配送業など)は、ケガをすると即座に収入が止まりやすい一方、パソコン作業中心の仕事は多少の体調不良でも在宅でこなせることがあります。自分の仕事が「体調が多少悪くても続けられるか」「完全に動けないと収入がゼロになるか」を考えてみると、必要性のイメージがつかみやすくなります。

また、扶養家族がいるかどうかも大きな要素です。自分一人の生活なら切り詰めてでも耐えられる期間が長くても、子どもや配偶者を養っている場合は、同じ貯金額でも「耐えられる期間」の感覚は変わってきます。

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保険に入るか迷ったら、前述の固定費の計算をもとに「貯金で何ヶ月耐えられるか」を紙に書き出してみよう。数字で見ると、必要かどうかがぐっと分かりやすくなるよ。

「不安だから入る」のではなく、「自分の家計の弱いところを埋めるために入る」という視点で考えると、納得感のある選択がしやすくなります。

保険を比べる時に見るべき3つのポイント

就業不能保険を検討する場合、複数の商品を比べる際に見るべきポイントは大きく3つあります。

1つ目は、保険金が支払われる条件です。 多くの就業不能保険には、働けなくなってから保険金がもらえるまでの待機期間(支払対象外期間、免責期間とも呼ばれます)があります。この期間は60日程度など商品によって異なり、過ぎないと保険金が支払われません。期間が長いと、短期の入院や療養では保険金が出ないケースもあるため、必ず確認しましょう。また、うつ病などの精神疾患が保障の対象に含まれるかどうかも、商品によって差があります。

2つ目は、保険金額と受け取れる期間です。 毎月いくら受け取れるのか、そしていつまで続くのか(60歳までなど)を確認しましょう。保険金額は、自分の生活費や固定費と照らし合わせて、過不足のない金額を選びます。必要以上に高い保険金額を設定すると保険料も上がってしまうので、「何にいくら使うためのお金か」を具体的にイメージしておくと選びやすくなります。

3つ目は、保険料と保障のバランスです。 就業不能保険は掛け捨て型が一般的で、年齢が上がるほど保険料も上がっていく傾向があります。加入時の保険料だけでなく、将来的にどう変わっていくのかも確認し、長く払い続けられる金額かどうかを見極めましょう。複数の保険会社の商品を比べる際は、保障内容・保険料・加入条件の3点を並べて比較すると、自分に合ったものが見えてきます。1社だけで決めず、最低でも2〜3社は比較することをおすすめします。

加入後に保険料を払い続けるためのコツ

保険は加入して終わりではなく、払い続けて初めて意味を持ちます。フリーランスは収入が月によって変動しやすいため、保険料を無理なく払い続けられる仕組みを作っておきましょう。

まず、保険料は「固定費」として家計に組み込みます。収入が多い月に多く払う、少ない月に払わないといった変則的な扱いではなく、毎月決まった額が引き落とされる前提で生活費を設計しておくのがおすすめです。家計簿ノートやアプリで収入と支出を記録し、保険料を含めた固定費が収入の何割を占めているかを定期的に見直すと、無理のない範囲を保ちやすくなります。

紙に書き込むタイプの家計ノートを使うと、毎月の収支と固定費の割合を手を動かしながら把握できます。

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また、収入が増えてきたタイミングや、独立から数年経って生活が安定してきたタイミングで、保障内容を見直しましょう。加入時には必要だった保障が、貯金が増えたことで過剰になっている場合もありますし、逆に家族が増えて保障を手厚くしたほうがよい場合もあります。年に一度、保険証券を見返す習慣をつけておくと安心です。

ぎゃくてん君ぎゃくてん君

保険は「入ったら終わり」じゃなくて「育てていくもの」。収入や家族の状況が変わったら、保障も一緒に見直していこう。

もっと詳しく知りたい人へ

ここまで、フリーランスの働けなくなるリスクと、公的保障・民間保険の考え方について見てきました。就業不能保険そのものだけでなく、お金全体の「貯める・備える・守る」という考え方を一度まとめて学んでおくと、保険の必要性もより判断しやすくなります。こちらの本では、お金を貯める・増やす・守るという基本と合わせて、保険や生活防衛資金の考え方も紹介されており、フリーランスのお金の基礎固めに役立つ内容です。

保険は「入るか入らないか」の二択ではなく、「自分の家計にとってどれくらいの備えが必要か」を考えるプロセスそのものに価値があります。まずは公的保障と貯金額を把握するところから、今日少しずつ始めてみてください。

よくある質問

Q. 就業不能保険とがん保険、どちらを優先すべきですか?

どちらが優先かは、心配している事態の種類によって変わります。就業不能保険は「働けない期間の収入減少」を補うもの、がん保険は「治療費の負担」を補うものという役割の違いがあります。両方を薄く備えるより、まずは自分の家計で一番弱い部分(収入の途絶か、治療費の負担か)を考えて優先順位をつけるとよいでしょう。

Q. 独立したばかりでまだ収入が少ないのですが、保険料を払う余裕がありません。どうすればいいですか?

収入が不安定な時期は、無理に保険料の高い保障を選ぶ必要はありません。まずは生活防衛資金を少しずつ貯めることを優先し、家計が落ち着いてきたタイミングで必要な保障額を見直すという順番でも問題ありません。保険は後からでも加入・見直しができます。

Q. 持病があると就業不能保険には入れませんか?

持病の種類や保険会社によって条件は異なります。加入時の告知内容によっては、保険料が割増になったり、特定の病気が保障対象外になったりする場合があります。複数の保険会社に相談し、自分の持病がどのように扱われるかを比較してみることをおすすめします。

※この記事は情報提供を目的としたもので、特定の金融商品の購入や投資を勧めるものではありません。投資には元本割れのリスクがあります。最終的な判断はご自身でお願いします。制度の内容は執筆時点のものです。最新の情報は金融庁や各金融機関の公式サイトでご確認ください。

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